Japan Casino Guide日本の賭博と法律のガイド
メニュー

出金できないサイト:出金の前に求められる手数料は詐欺のサイン

画面に表示された勝ち金を引き出そうとしたところ、手数料を払うよう求められ、払っても出金されなかったという相談が、国民生活センターに寄せられています。

このページの要点

  • 国民生活センターがまとめたオンラインカジノの相談は2023年度に303件で、儲けを受け取るための手数料を払っても入金されず、追加金まで請求されたという事例も紹介されています
  • 暗号資産の詐欺でも、出金しようとすると認証金を追加で求められ、いつまでも出金できないという同じ形の相談があります
  • 海外の免許は日本からの利用を合法にするものではなく、免許のロゴは日本の利用者にとって安全の証明になりません
  • 賭博で生じた債権は民法90条により無効とされ、最高裁判所も賭博債権が満足を受けることを禁じるのは法の強い要請だとしています
  • 勝ち金の回収や損失の返金を約束して先に費用を求める話は、法律の上で成り立ちにくい約束を売っています

相談に表れる出金拒否

国民生活センターがまとめているオンラインカジノの相談(PIO-NET)は、2023年度に303件、2024年度に187件、2025年度に101件で、2026年度の分は5月31日時点で11件(前年同期は16件)でした。この件数は届いた相談の数で、被害の総数ではありません。

件数(年度)

2023年度303件
2024年度187件
2025年度101件
図:オンラインカジノに関する相談件数 注:国民生活センター「オンラインカジノ」(2026年7月31日更新)、PIO-NET。消費生活センター等からの経由相談を除く。2026年度は5月31日時点で11件(前年同期16件)。

紹介されている事例の一つ(2026年7月31日更新のページ)は、「友人に紹介されてオンラインカジノに登録した。儲けを受け取るために必要と言われ手数料を振込んだが入金がない。苦情を伝えたら追加金を請求された。」というものです。知り合いの紹介で始まり、勝ち金の受け取りに手数料がいると言われ、払った後でさらに請求が来るという流れは、出金できないサイトの手口を一つの相談の中に短くまとめていると私たちは見ています。

画面の残高は、まだお金ではない

出金できないサイトを理解する鍵は、画面に表示される残高が、運営する側の書き込んだ数字にすぎないという点にあります。出金されて自分の口座に入るまではお金ではなく、入金を集めるためのサイトにとっては、勝っている画面を見せることに費用がかからないうえ、その数字が大きいほど、出金のために求められる支払いに応じる理由が利用者の側にできてしまいます。

暗号資産の取引をうたう詐欺にも同じ形があり、国民生活センターの見守り新鮮情報(第530号、2025年12月11日)は、「預けた暗号資産を出金しようとしたら、認証金の支払いを追加で求められ、いつまでも出金できない。」という事例を挙げて、「いったん振り込んでしまうと、被害回復は極めて困難です。」と注意しています。名目が「手数料」でも「認証金」でも、出金の前に別の振り込みを求められた時点で、私たちはそのサイトを、払う側ではなく集める側に立つものと判断します。

手数料などを先に払わせる理由

勝ち金から手数料を取るだけなら残高から差し引けば済むので、別の口座への振り込みを先に求める理由は、私たちには受け取る側の都合のほかに見当たりません。名目が何であっても同じで、サイトの指定する口座へ振り込むお金が、日本の税務署に納める所得税の納付になることはありません(払戻金と税金の関係はギャンブルの払戻金と税金で説明しています)。

免許のロゴは何を証明するか

出金できないサイトにも、海外の免許を示すロゴが置かれていることがありますが、日本から利用する人にとって、そのロゴは本物でも偽物でも安全の証明になりません。消費者庁も2022年10月24日の注意喚起で、運営する国で合法とされるカジノでも日本から接続して賭ければ犯罪になると書いており、本物の免許もその国での営業の許可にすぎないからです。

仮に免許が本物だと確かめられたとしても、日本に住む人にとってわかるのはそこまでで、そのサイトで賭ければ違法であることは変わりません(理由はオンラインカジノの違法性のページで説明しています)。偽物であれば、なおさらです。

勝ち金を取り戻す道はあるか

法律の面から見ても、払われなかった勝ち金を取り立てる正当な手段は、ほとんど残されていません。民法90条は「公の秩序又は善良の風俗に反する法律行為は、無効とする。」と定めており、最高裁判所は1997年の判決(平成9年11月11日)で、「賭博行為は公の秩序及び善良の風俗に反すること甚だしく」、賭博で生じた債権が満足を受けることを禁じるのは「法の強い要請」だと述べています。

賭けるために払ったお金についても、民法708条が「不法な原因のために給付をした者は、その給付したものの返還を請求することができない。」と定めているため、取り戻すのは難しくなります。私たちが調べた範囲では、払わないオンラインカジノを相手にした日本の判決は見つかっておらず、ここに書いたのは条文と判例をあてはめた結論ですが、勝ち金の回収や損失の返金を約束して先に費用を求める話が、法律の上で成り立ちにくい約束を売っていることに変わりはありません(民法と賭博の関係は賭博の借金・勝ち金と民法で説明しています)。

それでも自分の法的な立場を確かめたいときは、向こうから連絡してきた業者ではなく、自分で選んだ窓口を使うことが大切だと編集部は考えています。弁護士会の法律相談センターにつながる「ひまわりお悩み110番」(0570-783-110、相談料の目安は5,500円前後)や、法テラスのサポートダイヤル(0570-078374)は、相談先を自分でたどる入口になります。

入金してしまった後にできること

すでに手数料を払ってしまった場合も、次の請求には応じず、サイトの画面、やり取りの記録、振込先の口座、明細を残したうえで、消費者ホットライン188(最寄りの消費生活センターにつながります)や警察相談専用電話#9110に相談できます。サイトそのものについては、インターネット・ホットラインセンターが2025年9月25日から「違法オンラインギャンブル」の通報を受け付けており、匿名でも通報できますが、同センターは「こちらは相談機関ではありません。」としています。

そのサイトで賭けていたこと自体が、刑法185条の賭博にあたりうる点も避けて通れません。私たちは、それを理由に相談をあきらめるのではなく、自分の立場も含めて弁護士に話すことをすすめており、その入口は先に挙げた二つの窓口です。

よくある質問

出金のために手数料を払えば、勝ち金を受け取れますか。

国民生活センターの事例では、手数料を振り込んでも入金がなく、苦情を伝えると追加金を請求されています。出金の前に別の振り込みを求められたら、それ以上払わずに相談してください。

免許のロゴがあるサイトなら、出金は保証されますか。

保証されません。ロゴが本物でも、海外の免許は日本からの利用を合法にするものではなく、日本国内から賭ければ刑法185条の賭博罪にあたります。

払われなかった勝ち金を裁判で請求できますか。

賭博で生じた債権は民法90条により無効とされ、最高裁判所も賭博債権が満足を受けることを禁じるのは法の強い要請だとしています。勝ち金を裁判で取り立てる道は、ほぼ閉ざされていると考えられます。

勝ち金を取り戻せるという業者から連絡がありました。

向こうから連絡してきて先に費用を求める話は、二次被害のおそれがあります。法的な立場を確かめたいときは、法テラスや弁護士会の窓口など、自分で選んだ相談先を使ってください。

出典と参考資料

  1. オンラインカジノ(各種相談の件数や傾向)、国民生活センター、2026年7月31日更新
  2. 見守り新鮮情報 第530号、国民生活センター、2025年12月11日
  3. 日本国内ではオンラインカジノに接続して賭博を行うことは犯罪です、消費者庁、2022年10月24日
  4. 民法(第90条、第708条)、e-Gov法令検索
  5. 最高裁判所第三小法廷 平成9年11月11日判決(平成7(オ)2025)、裁判所
  6. インターネット・ホットラインセンター、警察庁の業務委託による通報窓口
  7. 法テラス・サポートダイヤル、日本司法支援センター(法テラス)
  8. ひまわりお悩み110番、日本弁護士連合会