必勝法・攻略ツールを売る話の見分け方
オンラインカジノで勝てるという方法や攻略ツール、予想の配信、儲けるコツを教えるセミナーは、形はさまざまでも、売り手が買い手の勝ち負けと関係なく先に代金を受け取るという点で、同じ仕組みを持っています。
このページの要点
- 国民生活センターは、副業や投資、ギャンブルなどで高額収入を得るノウハウと称して売られる情報を「情報商材」と呼んでおり、その相談は2023年度に6,256件ありました
- 東京都消費生活総合センターは、カジノで儲けるコツを教えるセミナーなどへの勧誘によるトラブルが起きていると注意しています
- 私たちが確認した公的機関の資料には、オンラインカジノ向けの攻略ツールや予想ツールに絞った全国的な注意喚起は見つかりませんでした
- ルーレットのように一回ごとの結果が独立したゲームでは、それまでの結果から次の結果を当てる手がかりはありません
- 控除率のある賭けでは、同じ種類の賭けを続けるかぎり、賭け金の増やし方や減らし方をどう工夫しても、賭けた総額に対して平均して失う割合は変わりません
「必勝法」は情報商材として売られている
国民生活センターは、インターネットの通信販売などで「副業、投資やギャンブル等で高額収入を得るためのノウハウ等と称して販売されている情報」を「情報商材」と呼んでいます。オンラインカジノで勝てるとうたう電子マニュアルや、その使い方を指導するという有料のサポートは、売り方から見て、この定義の中にそのまま収まると私たちは考えています。
国民生活センターの集計(PIO-NET)では、情報商材に関する相談は2023年度に6,256件、2024年度に4,163件、2025年度に2,623件で、2026年度は5月31日までに182件(前年同期は285件)でした。副業や投資の商材も含めた件数で、オンラインカジノだけの数字ではありませんが、同センターが挙げる事例(2026年7月31日更新の「情報商材」のページ)には、「競馬情報サイトで稼げると勧誘されて電子マニュアルの購入と高額なサポート契約をした。借金をして支払ったがやめたい。」というギャンブルの相談も含まれています。
件数(年度)
攻略ツールや予想の配信について、資料からわかること
「攻略ツール」や「予想ツール」、賭けどきを知らせるという配信については、私たちが確認した公的機関の資料(2026年10月15日時点)の中に、オンラインカジノに絞った全国的な注意喚起は見つかりませんでした。もっとも近い事例は、先に挙げた競馬情報サイトの相談です。
注意喚起がなくても、評価の手がかりはあります。ルーレットは一回ごとの結果が独立したゲームで、赤が何回続いても次に黒が出る確率は変わらない(ヨーロピアンルーレットでは18/37のまま)ため、過去の結果を集めて次を予想するという道具には、計算の上でのよりどころがありません。
予想の配信を確かめたいなら、結果が出る前に配信された予想を、外れた回も含めてすべて(配信された時刻とともに)見る必要があり、当たった回だけを並べた記録はその代わりになりません。そうした完全な記録を見せずに会費だけを求める配信は、利用者の側から当否を確かめる道を、最初から閉ざしていることになります。
売り手はなぜ買い手を必要とするのか
勝てる方法を売る話に向けるべき問いは、その方法で本当に勝てるなら、売り手はなぜ見知らぬ人に売る必要があるのかということです。標準的なルールのヨーロピアンルーレットでは、どこにどう賭けても賭け金の1/37(約2.7%)が平均して運営側の取り分になり、この差を安定して覆す仕組みを持つ人がいれば、その人は自分で賭けるだけで足り、会費やサポート契約の代金(国民生活センターの事例では「高額なサポート契約」)を集める理由はありません。
売り手の利益は、買い手が勝ったときではなく代金を払ったときに確定するので、方法の中身がどうであれ売り手の側は損をしません。次に見るべきは、最初に何を求められるかです。マニュアルの代金、サポートの契約、指定されたサイトへの入金、見知らぬアプリのインストール、暗号資産での支払いのどれかが勝つ話より先に出てくるなら、売られているのは勝ち方ではなく、その支払いそのものだと私たちは考えています。
セミナーと「絶対に、簡単に儲かる」という言葉
東京都消費生活総合センターは2024年4月の資料で、「カジノで儲けるためのコツを教えるセミナーなどに勧誘されるというトラブルも起きています」と注意し、「「絶対に、簡単に儲かる」などのうまい話はありません。」と書いています。セミナーは人と会う形をとる点で電子マニュアルと違って見えますが、受講料を先に払う点では同じ仕組みだと編集部は考えています。
契約の前に、契約したあとに
国民生活センターは2018年の注意喚起で、「情報商材は契約前に中身を確かめることができない。怪しいと思ったら連絡しない」こと、「高額な契約を勧誘されたり、話が違うと思ったら、きっぱりと契約を断る」ことを挙げ、「クレジットカードでの高額決済や借金をしてまで契約しない」よう呼びかけています。中身を見せないまま代金を求める商品では、買う側は確かめる手段を持たないまま支払うことになり、その不利を埋めるように示される「実績」の画像や体験談の読み方は、私たちが勝利画面と体験談の偽装のページで説明しています。
契約してしまい、やめたいと考えている場合は、消費者ホットライン188に電話すれば最寄りの消費生活センターにつながります(相談は無料で、通話料はかかります)。代金のために借金をした場合や、賭けることをやめられないという問題が背景にある場合は、相談窓口と支援のページにまとめた窓口も使えます。
賭け方の解説と「必勝法」の販売の違い
マーチンゲール法(負けるたびに賭け金を倍にし、勝てば最初の額に戻す賭け方)のような賭け方そのものは、仕組みと弱点を示して解説されているかぎり詐欺ではなく、当サイトも必勝法と呼ばれる賭け方の章で計算とともに取り上げています。仮に賭けた総額が100万円なら(1万円を100回賭けた場合など)、標準的なルールのヨーロピアンルーレットで平均して失うのはその1/37、約2万7,000円です。賭け金をどの順番でどう増減させてもこの割合は変わらず、その計算を伏せて「絶対儲かる」と売った時点で、解説は商品に変わります。
よくある質問
オンラインカジノの攻略ツールを使えば勝てるようになりますか。
一回ごとの結果が独立したゲームでは、過去の結果から次を当てる手がかりはなく、賭け金の増やし方を変えても、賭けた総額に対して平均して失う割合は変わりません。ツールの売り手の利益は、買った人が勝つかどうかではなく代金で決まります。
情報商材を買ってしまいました。どこに相談できますか。
消費者ホットライン188に電話すると、最寄りの消費生活センターにつながります。相談は無料で、通話料はかかります。
必勝法を解説しているページはすべて詐欺ですか。
賭け方の仕組みと限界をそのまま解説しているものは詐欺ではありません。計算を伏せたまま「絶対に、簡単に儲かる」と言って代金や会費を求める話が、このページで扱う販売です。
予想の配信が本物かどうかは、どう確かめればよいですか。
結果が出る前に配信された予想を、外れた回も含めてすべて時刻つきで見せてもらうことが最低限の条件です。当たった回だけの記録や勝利画面は確かめる材料になりません。
出典と参考資料
- 情報商材(各種相談の件数や傾向)、国民生活センター、2026年7月31日更新
- 簡単に高額収入を得られるという副業や投資の儲け話に注意!-インターネット等で取引される情報商材のトラブルが急増-、国民生活センター、2018年8月2日
- オンラインカジノで儲かる?そんな話には要注意!、東京都消費生活総合センター、2024年4月
- 消費者ホットライン、消費者庁
- ギャンブラーの誤謬、ウィキペディア日本語版