日本で認められている賭け
日本では刑法が賭博を罰していますが、競馬や宝くじのように、特別な法律が決められた団体にだけ開催や発売を認めている賭けがあるため、このページではそれらを根拠の法律、年齢の制限、売上の行き先という順に比べています。
このページの要点
- 刑法185条は賭博をした者を罰しており、競馬法や当せん金付証票法などの特別な法律が、決められた団体にだけ賭けの開催や発売を認めています
- 公営競技の券は20歳未満、スポーツくじは19歳未満の者が購入も譲り受けもできず、宝くじの法律には年齢の定めがありません
- 売上のうち払戻しに回らない割合は、中央競馬で20%から30%、ボートレースで25%、スポーツくじで50%、令和6年度の宝くじの実績で53.5%です
- ぱちんこは風営法が「風俗営業」として規制する遊技で、公営競技やくじとは別の枠組みに置かれています
- 公営競技の入場制限と利用停止は、2026年3月31日までの累計で21,734件にのぼります
刑法が罰する賭博と、法律が認める例外
刑法185条(賭博)は「賭博をした者」を50万円以下の罰金又は科料に処すると定め、187条は富くじの発売も罰していますが、競馬法(昭和23年法律第158号)や当せん金付証票法などの特別な法律は、決められた団体がそれぞれの賭けを行うことを認めています。日本中央競馬会又は都道府県がこの法律により競馬を「行うことができる」とする競馬法1条の2の条文がその典型で、競輪やボートレース、スポーツくじの法律にも、それを行うことができる者を名指しする規定が置かれています。
開催や発売ができるのは、法律が名指しした者だけです。運営元が海外で免許を受けたオンラインカジノもこの枠の外にあるため、日本国内から接続して賭ければ賭博罪にあたるという考え方を政府と警察庁が示しており、私たちはその根拠を日本の賭博と法律の章で条文とともに説明しています。
種類ごとの法律、主催者、年齢
| 種類 | 法律(所管) | 主催する者 | 年齢の制限 | 払戻しの決まり | 控除率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 競馬 | 競馬法(農林水産省) | JRA(中央競馬)、都道府県・指定市町村(地方競馬) | 20歳未満は購入できない | 売得金の70%以上(中央競馬は大臣が定める上限80%まで) | 中央競馬で20%〜30% |
| 競輪 | 自転車競技法(経済産業省) | 都道府県、総務大臣が指定する市町村 | 20歳未満は購入できない | 70%以上(重勝式は75%) | 未確認 |
| ボートレース | モーターボート競走法(国土交通省) | 都道府県、総務大臣が指定する市町村 | 20歳未満は購入できない | 75%以上(実際の払戻金も75%) | 25% |
| オートレース | 小型自動車競走法(経済産業省) | 都道府県、5市、特別区の組合、競走場のある市町村 | 20歳未満は購入できない | 70%以上 | 未確認 |
| 宝くじ | 当せん金付証票法(総務大臣の許可) | 都道府県、指定都市など | 法律に定めなし(ネット購入は20歳以上) | 当せん金は発売総額の5割まで(令和6年度の実績は46.5%) | 令和6年度の実績で53.5% |
| スポーツくじ | スポーツ振興投票の実施等に関する法律(文部科学省) | 日本スポーツ振興センター | 19歳未満は購入できない | 売上金額の50% | 50% |
| ぱちんこ(遊技) | 風営法(警察庁) | ぱちんこ屋の営業者 | 18歳未満は客として入れない | 現金の賞品と賞品の買取りは禁止、賞品は1つ9,600円(税別)まで | 該当なし |
公営競技と呼ばれる競馬、競輪、ボートレース、オートレースは、どの法律も20歳未満の者が券を「購入し、又は譲り受けてはならない」と同じ言葉で定めている(競馬法28条など)ため、年齢の線は四つとも同じで、スポーツくじは19歳未満、ぱちんこ屋は18歳未満が線になっています。宝くじは当せん金付証票法に年齢の定めがなく、公式サイトでインターネット購入をする場合は、20歳以上の会員に限られています。
払戻しの欄には、法律が定める下限と、主催者や公式の資料が示す実際の率を、混同しないように分けて書いています。「未確認」とした欄は、実際に使われている率を私たちが一次資料で確かめられなかった項目で、ぱちんこは払戻率ではなく賞品の上限で規制されているため、控除率の欄を「該当なし」としました。
売上のうち払戻しに回らない割合
売上に対する割合(%)
控除率は、売上のうち払戻金や当せん金として買った人に戻らない割合のことで、私たちが確かめられた範囲では(上の図)、中央競馬が20%から30%、ボートレースが25%であるのに対し、スポーツくじは50%、宝くじは令和6年度の実績で53.5%でした。確かめられた数字で比べる限り、くじのほうが高い水準です。
戻らなかった部分の行き先は種類によって違い、宝くじでは令和6年度に2,750億円(36.2%)が収益金として発売元の都道府県と指定都市に納められ、ボートレースでは25%の中から日本財団や競走会への交付金などが支払われています。スポーツくじの収益は法律によってスポーツの振興の助成にあてられ、その一部は国庫に納められますが、中央競馬の控除分がどう配分されているかという点は、私たちが確認した資料には示されていませんでした。
ぱちんこは「遊技」として規制されている
ぱちんこは、風営法(昭和23年法律第122号)の上では「風俗営業」に含まれる遊技であるため、公営競技やくじとは別の枠組みの中にあり、営業者は現金や有価証券を賞品にすることも、客に提供した賞品を買い取ることも禁じられています。客が受け取った賞品の売却をめぐって使われる「三店方式」という言葉については、政府の説明を当サイトの判断を加えずにぱちんこと三店方式で紹介しています。
依存症対策の法律と、利用を止める仕組み
ギャンブル等依存症対策基本法(平成30年法律第74号)は、2018年10月5日に施行されました。この法律の2条が「ギャンブル等」を「法律の定めるところにより行われる公営競技、ぱちんこ屋に係る遊技その他の射幸行為」と定めているため、ぱちんこも公営競技と同じように対策の対象になっています。現在の基本計画(2025年3月21日閣議決定)は、令和5年度の調査をもとに、「ギャンブル等依存が疑われる者」の割合を成人の1.7%としています。
公営競技では、2017年から2018年にかけて、本人が申告した場合と家族が申告した場合のそれぞれについて入場制限とインターネット投票の利用停止が順に始まりました(2019年の基本計画による)。2026年3月31日までの累計は21,734件で、そのうち家族の申請によるものは486件という数字です。ぱちんこにも業界団体が案内する「自己申告・家族申告プログラム」があり、どちらの申し込み方も利用を止める仕組みのページで案内しています。
よくある質問
日本で法律が認めている賭けはどれですか。
法律が開催や発売を認めている競馬、競輪、ボートレース、オートレースと、宝くじ、スポーツくじです。ぱちんこは風営法が規制する遊技として別に扱われており、IRのカジノについてはIR(統合型リゾート)とカジノの章で説明しています。
公営競技とくじでは、どちらのほうが多く払い戻されますか。
私たちが確かめた範囲では、中央競馬は売得金の70%から80%、ボートレースは75%が払い戻され、スポーツくじは50%、宝くじは令和6年度の実績で46.5%でした。
家族が公営競技にのめり込んでいる場合、止める仕組みはありますか。
競馬、競輪、ボートレース、オートレースには、家族の申請による入場制限やインターネット投票の利用停止の仕組みがあります。窓口は利用を止める仕組みと各競技のページで案内しています。
出典と参考資料
- 刑法(第185条、第187条)、e-Gov法令検索
- ギャンブル等依存症対策基本法、e-Gov法令検索
- ギャンブル等依存症対策推進基本計画(2025年3月21日閣議決定)、内閣官房
- ギャンブル等依存症対策推進基本計画(2019年4月19日閣議決定)、内閣官房
- 令和7年度までの進捗状況について(概要)、内閣官房、2026年7月
- 勝馬投票法ごとの払戻率について、日本中央競馬会
- ボートレースの売上金の使途、全国モーターボート競走施行者協議会
- 宝くじの収益金の使いみち、宝くじ公式サイト
- スポーツ振興投票の実施等に関する法律施行令、e-Gov法令検索