利用を止める仕組み:公営競技、ぱちんこ、IRの入場制限と利用停止
公営競技、ぱちんこ、IRのカジノには、本人や家族の申し出によって入場や利用を止める仕組みがあり、公営競技の入場制限と利用停止だけでも、2026年3月31日までの累計は2万1,734件にのぼります。申し込む先や期間は競技や業界ごとに違うため、このページでは、私たちが確認した公式の案内にもとづいて、本人が使える場合と家族が使える場合を分けながら、それぞれの仕組みを順に整理します。
このページの要点
- 競馬、競輪、ボートレース、オートレースでは、本人か家族の申し出で、入場制限とインターネット投票の利用停止を申し込めます
- JRAの入場制限は、入場制限開始日の翌年末まで有効です
- 2026年3月31日までの公営競技の入場制限と利用停止は累計2万1,734件で、そのうち家族の申し出によるものは486件です
- ぱちんこの自己申告プログラムでは、使う金額、来店の回数、遊ぶ時間の上限と入店の制限を本人が申し込めます
- 貸金業者などからの借入れを自分で止める貸付自粛制度は、日本貸金業協会では無料で申し込めます
公営競技のアクセス制限
競馬、競輪、ボートレース、オートレースの公営競技では、競馬場や場外の発売所への入場を断ってもらう入場制限と、インターネットでの投票を止める利用停止を、本人の申告でも家族の申告でも申し込めるようになっています。国の最初の基本計画(2019年)によれば、本人の申告による入場制限は2017年4月の地方競馬から順に始まり、家族の申告による入場制限も、2018年11月までにすべての競技で始まりました。
競技ごとの申し込み先と連絡先は、一般財団法人ギャンブル依存症予防回復支援センターがまとめた冊子に一覧があるので、私たちは迷ったときにまずこれを見ることをすすめており、同センターのサポートコール(0120-683-705)は「通話料・相談料無料」、「年中無休・24時間受付」です。申し込む前に話を聞きたい場合は、公営競技ギャンブル依存症カウンセリングセンターの予約(0120-321-153、平日9時〜17時、ウェブは24時間)も使えます。
競馬:JRAと地方競馬
JRAの入場制限は、本人が競馬場かウインズの案内所で直接申し込んだ場合、翌営業日から始まって「入場制限開始日の翌年末まで」有効です。電話とインターネットの投票を止めるにはPATサービスセンター(050-3771-2000)に申し込みますが、本人が止めた場合は「利用停止後は、利用停止日の翌年末日までは解除申請できません。」とされているので、少なくとも翌年の年末までは再開できない仕組みです。
JRAで家族が入場制限を申し込めるのは、同居している6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族で、医師の診断か、経済的な損害を示す資料が必要になるため、手続きはJRAのインフォメーションデスク(050-3536-0066)に電話で相談するところから始まります。家族の申告によるインターネット投票の利用停止も同じPATサービスセンターが受け付けており、本人が使い過ぎを防ぎたい場合には、電話・インターネット投票に購入の上限額を設ける仕組みもあります。
地方競馬では、入場制限とインターネット投票の制限を「ご本人又はご家族からの申請により」行っており、入場は各競馬場に、インターネット投票は利用している投票サービスに申し込むという分担で、購入の上限額も本人の申請で設けられ、問い合わせ先の地方競馬全国協会の窓口は03-3583-6858です。
競輪、オートレース、ボートレース
競輪とオートレースは、JKAのお客様相談コーナー(競輪03-4226-3522、オートレース03-4226-3519)が窓口で、オートレースの場合、入場制限は各レース場の案内所で、インターネット投票の制限は使っているサイトで申し込み、購入の上限額は180日たつまで引き上げられません。競輪の申し込み方の詳細は、私たちが確認できた範囲では公式のページから読み取れなかったため、ここでは窓口の番号だけを載せています。
ボートレースでは、家族の申請は場ごとに行い、「申請から入場規制まで最短でも約2ヶ月程度の期間が必要」とされているので、時間に余裕を見ておく必要があると私たちは考えています。本人がインターネット投票を止める場合は、2025年11月12日から、ウェブで入金限度額を「0円」に設定する方法に変わり、紙の申込書は受け付けられなくなりました。
2026年3月末までの件数
内閣官房の資料によれば、公営競技の入場制限と利用停止は2026年3月31日までの累計で2万1,734件、そのうち家族の申し出によるものは486件で、編集部の計算では、家族の申し出の割合は約2.2%にとどまり、件数がいちばん多いボートレースが全体の約4割を占めています。
| 競技 | 件数 | うち家族の申し出 |
|---|---|---|
| 中央競馬 | 7,196 | 210 |
| 地方競馬 | 2,125 | 33 |
| 競輪 | 3,391 | 68 |
| オートレース | 531 | 10 |
| ボートレース | 8,491 | 165 |
| 合計 | 21,734 | 486 |
ぱちんこの自己申告・家族申告プログラム
ぱちんことパチスロには、業界の団体(パチンコ・パチスロ産業21世紀会)が案内する「自己申告・家族申告プログラム」があり、参加しているホールで申し込みます。本人が申し込む場合は、1日に使う金額の「①上限金額」、1か月の来店の「②上限回数」、1日に遊ぶ時間の「③上限時間」と「④入店制限」の四つを申し込め、上限を超えたときはホールから知らせがあり、入店制限を申し込んだ人が来店した場合は、スタッフが「退店を促す声かけをします」とされています。
家族が申し込めるのは「配偶者、2親等以内の親族(成年者に限る)」で、「家族申告プログラムは入店制限のみの対応です。」とされています。家族が金額や時間の上限を決めることはできません。本人が同意している場合は本人の「プログラム申込同意書」が必要で、同意がない場合も、申し込みが必要であることを客観的に示す資料があれば申し込めます。
私たちが確認した国の基本計画によれば、プログラムを導入したホールは2024年11月末の時点で6,130店(導入率92.2%)で、2024年度からはチェーン店の全店舗にまとめて申し込めるようになりました。参加しているホールはプログラムのサイトで探すことができ、ぱちんこの問題の相談は、リカバリーサポート・ネットワーク(050-5846-3952)が受けています。
IRのカジノ
IRのカジノでも、本人や家族の申し出で、入場の禁止か1か月あたりの入場回数の制限を受けることができ、期間は少なくとも1年ですが、家族の申し出の場合は事業者が判断し、本人には「弁明の機会」が与えられます。制度のくわしい内容はカジノの入場規制で説明しています。
借入れと支払いを止める仕組み
お金の面では、本人が自分への貸付けを止めてもらう貸付自粛制度があり、申し込むと、その情報が信用情報機関(JICC、CIC、全国銀行個人信用情報センター)に登録されます。日本貸金業協会ではインターネット(24時間)、郵送、窓口のいずれでも申し込め、原則として本人だけが申し込むことができ、期間は最長5年ですが、3か月たてば撤回でき、費用はかかりません(電話0570-051-051、平日9時〜17時)。全国銀行協会は郵送だけで受け付けています(0120-540-558)。
銀行については、私たちが確認した金融庁の資料によれば、金融庁と警察庁が2025年5月14日に、全国銀行協会などとゆうちょ銀行に対して、利用者への注意喚起、規約で違法な賭博への利用を除くこと、そして「利用者が国内外のオンラインカジノで決済を行おうとしていることを把握した場合に当該決済を停止すること」を要請しました。経済産業省も警察庁とともにクレジットカード会社に同じような停止を求めていますが、これらは要請であって、決済が確実に止まるという保証ではありません。
私たちが確認した公的な資料には、利用者が自分の口座やカードでギャンブルへの支払いを止めるよう申し込む全国共通の仕組みは見あたりませんでした。接続を止める手段としては、国の基本計画が、大手の携帯電話会社やセキュリティソフトの会社が大人にもフィルタリングや接続時の警告を提供していると書いています。
接続を止めるソフトのGAMBANは日本語の公式サイトを持ち(Android、iOS・iPadOS、macOS、Windowsに対応)、7日間の無料体験の後は有料ですが、ギャンブル依存症問題を考える会は、同会のオンラインのミーティングの参加者には費用を負担するという取り組みを、2025年10月に発表しています。
よくある質問
公営競技の入場制限は、家族でも申し込めますか。
申し込めます。JRAでは同居の親族などが医師の診断か経済的な損害を示す資料をもとに申し込み、地方競馬も本人または家族の申請で制限を行っています。ボートレースの家族の申請は場ごとで、規制まで最短でも約2か月かかります。
JRAの入場制限はいつまで続きますか。
入場制限開始日の翌年末まで有効です。本人がネット投票を止めた場合も、利用停止日の翌年末日までは解除の申請ができません。
ぱちんこの家族申告では何ができますか。
配偶者と2親等以内の成年の親族が、入店制限を申し込めます。本人の同意がない場合は、必要性を客観的に示す資料が求められます。
銀行やカードの会社に、ギャンブルへの支払いを止めてもらえますか。
私たちが確認した公的な資料には、利用者が申し込む全国共通の仕組みは見あたりませんでした。オンラインカジノへの決済の停止は国が金融機関などに出した要請で、確実に止まる保証はありません。
出典と参考資料
- ギャンブル等依存症対策推進基本計画(令和7年3月21日閣議決定)、内閣官房
- 令和7年度までの進捗状況(概要)、内閣官房、2026年7月
- 入場制限・利用停止・購入上限額の案内(JRAのギャンブル等依存症対策のページ)、日本中央競馬会
- 入場制限とインターネット投票の制限の案内(地方競馬のページ)、地方競馬全国協会
- ボートレースの入場規制と投票制限の案内、全国モーターボート競走施行者協議会
- 公営競技のアクセス制限と連絡先の一覧(冊子)、一般財団法人ギャンブル依存症予防回復支援センター
- 自己申告・家族申告プログラム、パチンコ・パチスロ産業21世紀会
- 貸付自粛制度の案内、金融庁
- オンラインカジノに係る賭博事犯防止等について、金融庁・警察庁、2025年5月