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オンラインカジノの摘発の現状:検挙の数字と事件の傾向

オンラインカジノの取締りは、ここ数年で数字の桁が変わりました。警察庁の統計を5年分並べてみると、検挙の中心が店舗型から自宅などで賭ける無店舗型へ移り、賭けた利用者だけでなく、宣伝や決済にかかわった側にも捜査が及んでいるという流れが見えてきます。

このページの要点

  • オンライン上で行われた賭博事犯の検挙は、2025年に165事件・317人で、前年より103事件・38人増えました
  • 2025年の検挙のうち無店舗型は158事件・221人で、そのうち賭けた利用者(賭客)が150事件・196人です
  • 統計の「運営等」には決済代行業者やアフィリエイターなど運営に関与する者が含まれますが、両者を分けた数字は公表されていません
  • 警察庁の委託調査は、オンラインカジノの経験者を約336.9万人、現在の利用者を約196.7万人と推計しています
  • アフィリエイター、決済代行業者、賭ける様子を配信していた人が、それぞれ別の罪で逮捕や処分を受けています

5年分の検挙の数字

警察庁が2026年4月に公表した資料(令和7年における風俗営業等の現状と風俗関係事犯等の取締り状況について)によれば、オンライン上で行われた賭博事犯の検挙は、2025年に「165事件(前年比+103事件)、317人(前年比+38人)」となり、下の表の5年間で最も多いという結果でした。そのうち店舗を持たない「無店舗型」は158事件・221人で、ここには賭けた利用者(統計の言葉では「賭客」)と、運営などにかかわった者(「運営等」)の両方が含まれているため、表では両者を分けて示しています。

オンライン上で行われた賭博事犯の検挙(警察庁、2021〜2025年)
年オンライン上の賭博事犯うち無店舗型無店舗型のうち運営等無店舗型のうち賭客
2021年16事件・127人0事件・0人0事件・0人0事件・0人
2022年10事件・59人1事件・1人0事件・0人1事件・1人
2023年13事件・107人5事件・32人1事件・7人4事件・25人
2024年62事件・279人55事件・227人9事件・85人46事件・142人
2025年165事件・317人158事件・221人8事件・25人150事件・196人

表の左の列の合計には、店舗に置いた端末で客に賭けさせる「店舗型」も含まれているので、合計から無店舗型を引いてみると、2021年の127人はすべて店舗型だったということになります(編集部の計算)。無店舗型の検挙は、2022年の1人から2024年には227人へと一気に増えており、2025年には人数で全体の約7割を占めるようになりました。

人(警察庁の統計、店舗型と無店舗型の合計)

2021年127人
2022年59人
2023年107人
2024年279人
2025年317人
図:オンライン上で行われた賭博事犯の検挙人員 注:2021年の127人は、合計から無店舗型(0人)を引いた編集部の計算ではすべて店舗型で、2025年は317人のうち221人が無店舗型です。

共同通信の配信記事(2026年4月23日)が「過去最多」と伝えた2025年の無店舗型の158事件をくわしく見ると、賭客の事件が46から150へと3倍あまりに増えたが、1事件あたりの人数は約3.1人から約1.3人に下がっています(編集部の計算)。運営等の人数も85人から25人に減っているため、私たちは、多くの人をまとめて検挙する事件より、利用者を一人ずつ検挙する事件が増えたという形だと読んでいますが、警察庁がそう説明しているわけではありません。

「運営等」に含まれる人

統計の注には「運営等とは、決済代行業者やアフィリエイターなどの運営に関与する者を含む。」と書かれているため、サイトを運営する者だけでなく、賭け金の支払いを取り次ぐ業者や、宣伝して客を呼び込む者もここに数えられています。ただし、両者を分けた数字は公表されていません。2026年の上半期の数字も、私たちが調べた時点では見つからなかったので、このページの数字は2025年までにとどめています。

警察庁の委託調査が示す規模

検挙された利用者が196人だったのに対して、オンラインカジノを使っている人ははるかに多いと推計されています。警察庁の委託を受けて株式会社シード・プランニングがまとめた調査研究の報告書(2025年1月)は、2024年7月から10月にかけて15歳から79歳を対象にウェブで調査し、27,145人の回答のうち7,000人分をくわしく分析するという方法で、「経験者」を約336.9万人(経験率3.45%)、現在の「利用者」を約196.7万人(利用率2.02%)と見積もりました。

同じ報告書は、年間の賭け額の総額を「約1兆2,423億円」と見込んでいますが、これは賭けた金額を合計したものであるため、利用者が負けた額とも、運営側の利益とも違います。オンラインカジノを知っている人の43.5%が、違法だと「認識していなかった」と答えていることも、この調査でわかりました。

宣伝と決済の側に広がる事件

警察庁が検挙の例として挙げているのは、「海外のオンラインカジノサイト運営者との間でアフィリエイト契約を結び、動画配信サイトなどで…勧誘していた者を常習賭博幇助罪で検挙」したという事件です。2025年6月25日の政府広報オンラインも、国内での決済への関与や、広告や宣伝による勧誘が「賭博幇助」などにあたりうるという注意を載せています。

2024年9月には、埼玉県警が、宣伝の動画を100本以上公開していたアフィリエイターを「賭博を手助けした」という疑いで逮捕しました(埼玉新聞、2024年9月23日)。アフィリエイト契約を結んで1年で約550万円を得ていたとされ、警察によれば、アフィリエイターの逮捕は全国で初めてだったということです。その後の処分は、私たちには確認できていません。

2025年に入ると、警察庁の同じ資料によれば、岡山県警が1月に、動画サイトで宣伝していたアフィリエイター4人を、海外の運営者との共犯として常習賭博の疑いで逮捕しました。大阪府警は2月に、賭け金を他人名義の口座に振り込ませていた決済代行の2人を組織犯罪処罰法の「犯罪収益等隠匿」の疑いで、岐阜県警は8月に紹介サイトの運営者2人を「常習賭博幇助」の疑いで逮捕しており、宣伝と決済の両方に捜査が向けられているという傾向が読み取れます。

共同通信の報道によれば、2026年7月15日には、埼玉県警と愛知県警の合同捜査本部が、海外のカジノ向けに、架空の法人の口座へ客の賭け金を入金させる決済の仕組みを運営していたとして、9人を常習賭博の疑いで逮捕したということです。処分の結果については、どの事件も私たちが確認できた範囲に入っていないため、ここでは逮捕までを書いています。

賭けた側の処分がわかる例

自分で賭ける様子を配信していた人が検挙された場合の結末については、警察政策学会の資料(2024年7月)が記録しています。千葉県で2023年9月に常習賭博の疑いで逮捕された配信者は、賭博罪で罰金50万円となりましたが、茨城県の2024年2月の事件では、常習賭博として正式な裁判が開かれ、懲役1年、執行猶予3年の判決が言い渡されました。

これらの例を並べると、賭けた側も、宣伝した側も、お金の流れを支えた側も、それぞれ別の罪で捜査の対象になっているということがわかりますが、逮捕を伝える報道だけでは結末がわからないので、当サイトでは、処分まで確認できた事件と、そうでない事件を書き分けるようにしています。

利用者がなぜ処罰されるのかはオンラインカジノの違法性で、宣伝が禁じられた経緯は2025年の法改正で説明しています。口座の売買や、送金を手伝わせるという求人の危険については、お金をめぐる詐欺と送金バイトのページで扱っています。

よくある質問

オンラインカジノの利用者が検挙されることは珍しいのですか。

珍しくありません。警察庁の統計では、2025年に無店舗型のオンラインカジノなどで賭けた利用者だけで150事件・196人が検挙されています。

統計の「運営等」とは誰のことですか。

警察庁の資料は、決済代行業者やアフィリエイターなど、運営に関与する者を含むと説明しています。決済代行業者とアフィリエイターを分けた数字は公表されていません。

宣伝しただけのアフィリエイターも罪になりますか。

警察庁は、アフィリエイト契約を結んで動画配信サイトなどで勧誘していた者を常習賭博幇助罪で検挙した例を挙げており、実際に逮捕された事件もあります。

オンラインカジノで年間に賭けられている金額はどれくらいですか。

警察庁の委託調査は約1兆2,423億円と推計していますが、これは賭けた金額の合計で、負けた額や運営側の利益ではありません。

出典と参考資料

  1. 令和7年における風俗営業等の現状と風俗関係事犯等の取締り状況について、警察庁生活安全局保安課、2026年4月
  2. オンラインカジノを利用した賭博は犯罪です!、警察庁
  3. オンラインカジノの実態把握のための調査研究 報告書、警察庁委託調査、2025年1月
  4. オンラインカジノによる賭博は犯罪です!広告・宣伝することも禁止に!、政府広報オンライン、2025年6月25日