Japan Casino Guide日本の賭博と法律のガイド
メニュー

海外のカジノで遊ぶと、日本の法律ではどうなるのか

刑法の賭博罪は、日本人が国外で犯した場合にも罰する罪の一覧に入っていないため、カジノが合法な国でその国のカジノに入って遊ぶことと、日本からオンラインカジノに賭けることとは、刑法の上でまったく違う扱いになります。ただし、勝ち金は日本の所得税の対象になりえますし、まとまった現金を持って帰国するときには税関への申告が必要です。

このページの要点

  • 刑法1条は日本国内で罪を犯したすべての者に適用され、日本国民の国外犯を定めた3条に、賭博罪などの185条から187条は含まれていません
  • 日本国内からオンラインカジノに接続して賭けることは、賭博行為の一部が国内で行われるため、賭博罪が成立しうるというのが政府の考え方です
  • 国外にいる人がオンラインカジノで賭ける場合を扱った公的な資料は見つかっておらず、当サイトは結論を示していません
  • 居住者が海外の合法なカジノで得た勝ち金は日本の所得税の対象になりえ、2025年の東京地裁判決は一時所得を当たったゲームごとに計算するとしました
  • 100万円相当額を超える現金などを持って出入国するときは、税関への申告が必要です

刑法がおよぶ範囲

刑法の及ぶ範囲を決めているのは1条で、「日本国内において罪を犯したすべての者に適用する」とあり、同条2項により日本の船舶や航空機の中の罪も同じ扱いです。国外で犯した罪を罰する場合は条文で限られていて、日本国民が国外で犯した場合にも罰する罪を並べた3条(「国民の国外犯」)には、放火や殺人、窃盗、詐欺などが挙がっています。

ところが、私たちが現行の条文で確かめた限り、「賭博」(185条)、「常習賭博及び賭博場開張等図利」(186条)、「富くじ発売等」(187条)は、3条にも、2条、3条の2、4条にも入っていません。つまり、日本人が国外で行った賭博は、刑法が国外でも罰するとしている罪には含まれていないということになります。

弁護士の説明と、日本から賭ける場合との違い

法律相談サイトの弁護士ドットコムに2017年4月29日に掲載された記事で、山脇康嗣弁護士は「刑法の賭博罪には、国外犯処罰の規定がありません。したがって、日本人が、米ラスベガスなど海外でカジノをしても、処罰されません。」と説明しています。

これと対照的なのが、日本にいながら海外のオンラインカジノで賭ける場合です。2013年の政府答弁書(内閣衆質185第17号)は、一般論として、賭けの行為の一部でも国内で行われれば185条の賭博罪が成立することがあるとしており、警察政策学会の資料(2024年7月)も、行為の一部が国内で行われれば足りるという考え方(「偏在説」)を「判例・通説」として紹介しています。

同じバカラでも、ラスベガスのテーブルで賭けるのか、日本の自宅から海外のサイトに賭けるのかで刑法の扱いはまったく異なり、運営会社が海外で免許を受けていることが日本からの利用を正当化する理由にならないという点は、オンラインカジノの違法性でくわしく説明しています。

国外にいて、オンラインで賭けた場合

判断が難しいのは、日本人が旅行や出張で国外にいる間に、スマートフォンなどからオンラインカジノに賭けた場合です。この場面を正面から扱った政府の答弁書や判決、警察庁の説明は、私たちが調べた範囲では見つかっていません。

3条の書き方からは処罰の対象外と考える余地もありますが、それを確かめた公的な資料がない以上、当サイトはこの点について結論を示しません。国外からなら問題ないと言い切る説明を見かけた場合も、根拠になる公的な資料が示されているかどうかを、まず確かめることをおすすめします。

海外の合法なカジノの勝ち金と税金

刑法で罰せられないことと、税金がかからないことは別の問題です。所得税法7条1項1号は、非永住者以外の「居住者」について「全ての所得」を課税の対象とするという定めで(非永住者は、国外源泉所得のうち「国内において支払われ、又は国外から送金されたもの」に限られます)、施行令225条の14第1項5号は「国外においてした行為に伴い取得する一時所得」を国外源泉所得の一つに挙げています。

海外のカジノの勝ち金を直接扱ったタックスアンサーや質疑応答事例は、私たちが調べた範囲では見つかりませんでした。ただ、裁判所の判断は一つあります。東京地方裁判所の2025年2月27日の判決(令和5年(行ウ)第65号)は、アメリカ、シンガポール、マカオのカジノで2015年から2018年にかけてVIP客としてバカラをしていた人が、申告しなかった所得について受けた更正などを争ったという事件で、請求を退けました。

判決は、このバカラの所得が一時所得にあたることには「当事者間に争いがない」としたうえで、一時所得は「予想が的中したゲームごとに」計算し、負けた賭け金は「何ら収入を発生させるものではないから……控除されるべきものではない」と判断しています。この考え方によれば、外れたゲームの賭け金を当たったゲームの払戻しと通算することはできず、当たったゲームごとに、その払戻しと、そのゲームに賭けた金額とを対応させて計算し、それを1年分合計していくことになると私たちは理解しています。

判決のあとに控訴されたかどうかは確認できていないため、私たちはこれを確定した判断としてではなく、海外のカジノの勝ち金について裁判所が示した一つの判断として紹介しており、一時所得の計算の仕組みそのものは、ギャンブルの払戻金と税金で説明しています。

外国の税金と、アメリカの扱い

海外で税金を差し引かれた場合には、所得税法95条の「外国税額控除」によって日本の所得税から差し引ける仕組みがありますが、控除できる額には限度があり、租税条約で相手国が課税できるとされる額を超える部分は対象になりません(国税庁タックスアンサーNo.1240)。外国税額控除を使わないときは、国外の当選金品にかかった外国の税金を一時所得の計算で差し引く扱いも、所得税基本通達34-3で認められています。

アメリカのカジノについては、内国歳入庁(IRS)の刊行物515(2026年版)が、租税条約上の日本の居住者のギャンブルの所得にアメリカは課税しないとしており、職業としない非居住者がブラックジャック、バカラ、クラップス、ルーレットなどで得た所得にも課税しないと書いています。そのほかの場合で条約による免除がないときは30%が源泉徴収されるとされていますが、アメリカ側の手続は私たちが確認していないので、実際に税金を差し引かれたときは、税務署や税理士に相談してください。

現金を持って出入国するとき

勝ち金を現金で持ち帰る場合には、税関の手続にも注意が必要です。税関は、100万円相当額を超える現金などを携帯して出国または入国するときには「支払手段等の携帯輸出・輸入申告書」の提出が必要だとしており(北朝鮮を仕向地とする輸出は10万円相当額)、円と外貨の現金、小切手(トラベラーズチェックを含む)、約束手形、有価証券を合計した額で判断されます。

純度90%以上の金で1kgを超えるものも申告の対象で、根拠は関税法67条や外為法19条3項などに置かれており、税関は2024年8月8日から、出国のときの検査に、紙幣をかぎ分けるように訓練した犬も使っています。

日本で認められるカジノ

日本国内でカジノが認められるのは、IR整備法にもとづいて認定された区域の中だけで、2026年10月の時点で認定されているのは大阪の計画だけです。開業の予定は2030年秋頃ですが、計画には1〜2年程度遅れる可能性も書かれており、日本人と日本に住む外国人には入場料や入場回数の上限が法律で定められているため、当サイトではIR(統合型リゾート)とカジノとカジノの入場規制でくわしく説明しています。

よくある質問

ラスベガスのカジノで遊んだら、日本で罪になりますか。

刑法の賭博罪は、日本国民の国外犯を定めた3条に含まれておらず、弁護士も海外でカジノをしても処罰されないと説明しています。ただし、日本国内からオンラインカジノに賭けることは別の問題で、賭博罪が成立しうるというのが政府の考え方です。

海外のカジノで勝ったお金に、日本の税金はかかりますか。

非永住者以外の居住者は国外の所得も課税の対象になり、2025年の東京地裁判決は、海外のカジノでのバカラの所得を一時所得として、当たったゲームごとに計算するとしました。計算の仕組みはギャンブルの払戻金と税金で説明しています。

海外旅行中にスマートフォンでオンラインカジノをするのは違法ですか。

この場面を扱った公的な資料は見つかっておらず、当サイトは結論を示していません。政府と警察庁は、日本国内から賭けることを賭博罪にあたるとしています。

勝ったお金を現金で持ち帰るときに、手続はありますか。

100万円相当額を超える現金や小切手などを携帯して入国するときは、税関に「支払手段等の携帯輸出・輸入申告書」を提出する必要があります。

出典と参考資料

  1. 刑法(第1条、第3条、第185条〜第187条)、e-Gov法令検索
  2. 衆議院議員の質問に対する答弁書(内閣衆質185第17号、2013年11月1日)、衆議院
  3. 所得税法(第7条、第34条、第95条)、e-Gov法令検索
  4. 所得税法施行令(第225条の14)、e-Gov法令検索
  5. 東京地方裁判所 令和7年2月27日判決(令和5年(行ウ)第65号)、裁判所
  6. タックスアンサー No.1240(外国税額控除)、国税庁
  7. Publication 515 (2026)、IRS(アメリカ内国歳入庁)
  8. 支払手段等の携帯輸出・輸入申告書についての案内、税関