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2025年の法改正:違法オンラインカジノの提示と誘導の禁止

2025年6月に成立した改正法は、違法なオンラインカジノのサイトを日本にいる人に示すことと、そこへ誘導する情報を発信することを禁じましたが、新しい条文に罰則がないため、実際の削除は、総務省のガイドラインにもとづくプラットフォーム事業者の対応を通じて進められています。

このページの要点

  • 改正法(令和7年法律第76号)は2025年6月25日に公布され、同年9月25日に施行されました
  • 新設された9条の2は、違法なオンラインギャンブルのサイトやアプリを国内の不特定の人に示すことと、そこへ誘導する情報を発信することを禁じています
  • 9条の2に違反した者への罰則はなく、投稿の削除は情報流通プラットフォーム対処法と総務省のガイドラインを通じて進められています
  • 総務省のガイドラインは、注意書きを添えた投稿でも、誘導する情報と認められれば誘導にあたるとしています
  • 総務省の検討会は2026年7月の報告書で、ブロッキングを排除せずに検討を続けるよう求め、導入するなら立法措置が必要だとしました

成立から施行まで

「ギャンブル等依存症対策基本法の一部を改正する法律」(令和7年法律第76号)は2025年6月18日に成立して6月25日に公布され、附則に「公布の日から起算して三月を経過した日から施行する」という定めがあるため、新しい禁止は2025年9月25日から効力を持っています。

条文は、違法なサイトやアプリを示す行為(1号)と、そこへ誘導する情報を発信する行為(2号)を禁じるという形をとっており、禁止の名あて人は、インターネットで不特定の人に向けて情報を発信する者です。発信の場を提供しているだけの事業者は除かれていますが、私たちのような情報サイトはこの除外にあたらないため、禁止される側に入るというのが私たちの読み方です。

「違法オンラインギャンブル等」の定義

同じ条の2項の定義によれば、「違法オンラインギャンブル等」とは「ギャンブル等のうち、国内においてインターネットを利用して違法に行われるもの」のことで、禁止の対象になるサイトやプログラムは、それを「行う場を提供するもの」とされています。日本国内から海外のオンラインカジノに賭けることは刑法185条の賭博罪にあたるため(オンラインカジノの違法性)、そうしたサイトは、海外で免許を受けていても、この定義にそのままあてはまります。

改正法は14条も改め、国と地方公共団体の教育や広報に、違法オンラインギャンブル等が禁止されていることの「周知徹底を図るための措置」を含めるように定めました。

罰則がない禁止

9条の2に罰則はありません。違反した者を罰する規定は改正法にも基本法のほかの条文にも置かれておらず(私たちがe-Govで現行の条文を確認)、成立前の報道(北海道新聞、2025年5月15日)も「罰則規定は設けていない」と伝えていました。

それでも、禁止に反する投稿を放置してよいことにはなりません。総務省は、SNSなどで流通する違法情報について、プラットフォーム事業者が「利用規約等に基づく適切な対応」をとるように促すとしており、政府広報オンライン(2025年6月25日)も、広告や宣伝で利用に誘い入れた場合には「賭博幇助」などの罪に問われることがあると注意しています。

削除を支える法律とガイドライン

削除の仕組みを支えているのは、2025年4月1日に名前を改めて施行された情報流通プラットフォーム対処法(令和6年法律第25号による改正)で、その26条は、大規模なプラットフォーム事業者が、公表した基準に従う場合や法令上の義務がある場合に、投稿の送信防止措置をとれるという規定です。

総務省はこの26条についての違法情報ガイドライン(2025年3月11日策定)を、改正法の施行日と同じ2025年9月25日に改め、「違法オンラインギャンブル等関係」の項目(2-1-8)を加えました(案の公表は7月17日、意見募集は7月18日から31日まで)。意見募集に寄せられた意見は0件でした。

ガイドラインによれば、違法なサイトやアプリのURL、リンク、QRコードを含む投稿は誘導にあたり、実在するサイトの名前に「登録はこちらから」「日本語対応」といった言葉を添えた投稿も、日本語で書かれているなど日本にいる人に向けたものであれば、同じように誘導とされます。

注意書きを添えても結論は変わらず、ガイドラインは、「「オンラインカジノは違法であり、この投稿は利用を勧めるものではない」等と記載されている場合であっても…誘導する情報であると認められるときは、これに該当する。」と明記しています。違法であることを知らせる啓発の情報と、インターネットで行われる公営競技は対象から外されているので、注意喚起そのものが禁じられるわけではありません。

ガイドラインの考え方(2-1-8の要約)

  • 誘導にあたる:違法なサイトやアプリのURL、リンク、QRコードを含む投稿
  • 誘導にあたる:実在するサイトの名前に「登録はこちらから」などの言葉を添えた、日本にいる人向けの投稿
  • 注意書きがあっても:誘導する情報と認められれば、誘導にあたる
  • 対象外:違法であることを知らせる啓発の情報、インターネットで行われる公営競技

施行後の削除の数字

施行日から2025年12月31日までの約3か月については、警察庁などの集計(2026年3月12日公表)が総務省の報告書に引用されているので、編集部で下の表にまとめました。サイトそのものを示す提示では、違法な情報464件に対して削除の依頼が447件、5営業日以内の削除が43件で、誘導ではそれぞれ2,789件、2,542件、558件という結果です。

改正法の施行後の違法情報と削除(2025年9月25日〜12月31日)
区分違法情報削除の依頼5営業日以内の削除
提示464件447件43件
誘導2,789件2,542件558件
合計(編集部の計算)3,253件2,989件601件

編集部の計算では、依頼のうち5営業日以内に削除された割合は、提示で約9.6%、誘導で約22.0%、全体では約20.1%(2,989件のうち601件)になります。5営業日を過ぎてから削除された投稿がどれだけあったかは、この集計からはわからないため、私たちはこの数字を、仕組みが動き出した直後の出発点という位置づけで読んでいます。

ブロッキングをめぐる総務省の報告書

サイトへの接続を通信の段階で遮断するという方法(ブロッキング)については、総務省の「オンラインカジノに係るアクセス抑止の在り方に関する検討会」(2025年4月設置)が議論を続け、2025年9月24日の中間論点整理を経て、2026年7月27日に報告書を公表しました(案への意見募集には236件の意見)。

報告書は、ブロッキングを直ちに導入するという結論はとらず、「政府全体で、違法オンラインカジノ対策として、ブロッキングを排除することなく、実効的な対策の検討を求める」としました。ブロッキングは「通信の秘密や知る自由等に抵触しうる対策」なので、権利を制限しないほかの対策が尽くされたといえるかをまず検証する必要があるという立場です。

そのうえで報告書は、「若年層やカジュアルユーザ保護の観点から、対策としての有効性は否定できない」と述べ、ブロッキングを排除せずに「立法措置を講じることが必要である」と書いており、その法律で、義務を負う事業者、遮断の対象、実体と手続の要件、公的な機関の役割を定めるように求めています。

ブロッキングを法の解釈だけにもとづく事業者の自主的な取組として行う場合については、2025年9月の中間論点整理が「適当でなく、法的担保が必要」としていました。私たちが確認した2026年10月15日の時点では、日本でブロッキングは導入されていないということになります。

ブロッキング以外の対策と、その効果

報告書は、ブロッキングの検討と並行して進めるように求める総合的な対策として、学校を含む啓発、決済代行業者やアフィリエイターに的を絞った取締り、SNSや検索サービス、CDNによる削除、海外の政府へのジオブロッキングの要請、端末のフィルタリング、決済の遮断を挙げています。大手のプラットフォーム(Google、LINEヤフー、Meta、TikTok、X)は、誘導の投稿をすでに禁止の対象として扱っているということです。

決済の面では、金融庁と警察庁が2025年5月に金融機関などへ、利用者への注意喚起や契約での禁止に加えて、オンラインカジノでの決済だと把握した取引の停止を要請し、同年6月には国境を越える収納代行業者に登録を求める資金決済法の改正が行われました。2025年7月からは、警察庁と経済産業省がクレジットカードの国際ブランドと連携しています。

報告書によれば、SNSでの誘導の投稿は2025年4月から減り始め、7月に大きく減ったあと、9月以降は「極めて少ない」状態が続いています。主なオンラインカジノのアプリがiOSとAndroidで入手できなくなった一方で、サイトへのアクセスはあまり変わっておらず、違法だと知っている人も回答者の約6割にとどまるという結果が出ています。

この法律と当サイト

9条の2は情報サイトにも及ぶため、当サイトはどのオンラインカジノの名前も挙げず、サイトやアプリへのリンク、URL、QRコードも載せていません。注意書きを添えても誘導にあたりうるとされている以上、警告の目的でも名前を出すことはせず、「海外のオンラインカジノ」のような一般的な書き方にとどめるというのが、私たちの決めた書き方です。

改正法は利用する側の扱いを変えたものではなく、日本から賭けることが賭博罪にあたるという結論は、施行の前から変わっていません。検挙の数字は摘発の現状にまとめており、やめたいのにやめられないときは、相談窓口と支援から近くの窓口を探すことができます。

よくある質問

改正法の9条の2に違反すると罰せられますか。

9条の2には罰則がありません。ただし政府広報オンラインは、広告や宣伝でオンラインカジノに誘い入れると「賭博幇助」などの罪に問われることがあると注意しており、宣伝した側が検挙された例もあります(摘発の現状)。

「違法です」と注意書きを付ければ、サイトを紹介してもよいのですか。

よくありません。総務省のガイドラインは、注意書きを添えていても、誘導する情報と認められるときは誘導にあたるとしています。

日本ではオンラインカジノのサイトへの接続が遮断されていますか。

ブロッキングは導入されていません。総務省の検討会は2026年7月の報告書で、ブロッキングを排除せずに検討を続けるよう求め、導入するには立法措置が必要だとしています。

改正法で、利用者の扱いは変わりましたか。

変わっていません。日本国内からオンラインカジノで賭けることは、改正の前から刑法185条の賭博罪にあたり、常習であれば186条の対象にもなります。

出典と参考資料

  1. ギャンブル等依存症対策基本法、e-Gov法令検索
  2. 情報流通プラットフォーム対処法、e-Gov法令検索
  3. 違法情報ガイドラインの改定についての報道資料、総務省、2025年9月25日
  4. 違法情報ガイドライン(2-1-8 違法オンラインギャンブル等関係を含む)、総務省
  5. オンラインカジノに係るアクセス抑止の在り方に関する検討会 報告書の公表、総務省、2026年7月27日
  6. オンラインカジノに係るアクセス抑止の在り方に関する検討会 報告書、総務省、2026年7月
  7. オンラインカジノによる賭博は犯罪です!広告・宣伝することも禁止に!、政府広報オンライン、2025年6月25日
  8. オンラインカジノを利用した賭博は犯罪です!、警察庁