Japan Casino Guide日本の賭博と法律のガイド
メニュー

ダランベール法・フィボナッチ法など、ゆっくり上げる賭け方の計算

負けたときの賭け金の上げ方を、倍ではなく1単位ずつや数列に沿った形にゆるめた方法は、「倍賭け」より穏やかに見えますが、上げ方を遅くしても上限に届くまでの道のりが長くなるだけで、そのあいだに賭けた総額の1/37が期待値として失われていく点は変わりません。

このページの要点

  • ダランベール法(ピラミッド法)は負けるたびに1単位上げる方法で、編集部のシミュレーションでは約350系列に1回、賭け金が上限の50,000円を超える場面に届き、その時点の損失は平均で約110万円でした
  • フィボナッチ法は9連敗(約403回に1回)で上限に届きますが、勝ち負けが混じっても数列は上がるため、編集部の計算では上限に届く系列は約132.5回に1回でした
  • 3倍の賭けに使うココモ法では、9連敗で88,000円を失う確率が約34回に1回です
  • 日本で標準とされる3倍のモンテカルロ法は7連敗で49単位を失い、ダズンに賭けた場合のその確率は約6.4%です
  • 上げ方の速さが違っても、1系列の期待値はその系列で賭ける額の期待値の−1/37になります

ゆっくり上げる方法に共通すること

マーチンゲール法が6連敗で行き詰まるのは負けるたびに賭け金が倍になるためで、このページで扱う5つの方法は、その上げ方を1単位ずつにしたり、数列に沿って少しずつ上げる形にしたりしたものです(ココモ法とモンテカルロ法は、払い戻しが「3倍」になるダズンやコラムに使う形で紹介されています)。上げ方がゆるやかになると、連敗だけでは上限に届きにくくなる代わりに、負けが長く続いたときには、それだけ大きな損失がたまっています。

以下では1単位を1,000円、テーブルの上限を50,000円(ヨーロピアンルーレット)として、編集部が分数で解けるものは分数で、「系列」の形が複雑なものは乱数を使ったシミュレーションで数えました。決まりは解説によって違うことが多いため、それぞれの項で、私たちが計算に使った決まりを書いています。

最低1,000円・上限50,000円の卓で数えた結果(編集部の計算。フィボナッチ法とココモ法は分数で、ほかはシミュレーションで計算)
方法普段の系列の結果上限に届く頻度届いたときの損失
ダランベール法多くは+1,000円か±0約350系列に1回平均約110万円
フィボナッチ法+1,000円か±0約132.5系列に1回88,000円
ココモ法(3倍)+1,000円〜+14,000円約34系列に1回88,000円
ラブシェール法(2、3、3、2)+10,000円約12系列に1回平均約14万円
モンテカルロ法(3倍)多くはプラス約23系列に1回平均約19万円

ダランベール法(ピラミッド法)

「ダランベール法」は、負けたら賭け金を1単位上げ、勝ったら1単位下げる方法で、私たちが確認した解説では「ピラミッド法」も同じ方法の別名でした。負けの次に勝てば、勝った回の賭け金が1単位大きく、2回で1単位が残るというのがこの方法の考え方ですが、ヨーロピアンルーレットで2倍の賭けに勝つ確率は18/37と半分に届かないため、続けるほど負けの数が勝ちを上回り、賭け金は上がっていく傾向にあります。

私たちは、1,000円から始め、系列の収支が±0以上に戻ったら1,000円からやり直す形で計算しました(2単位ずつ動かす形や、5単位から始める形も紹介されています)。編集部のシミュレーション(2,000万系列)では、系列の約83.5%がプラス、約16.2%が±0で終わった一方で、約350系列に1回は勝ち越せないまま賭け金が上限の50,000円を超える場面に届き、その時点の損失は平均で約110万円でした。

これは、1単位ずつしか上げないため、上限に届くには負けが勝ちをおよそ50回上回る必要があり、そこまでの長い道のりのあいだに損失がふくらんでいくからです。遅く上げることは、損を後に送ることでもあります。

フィボナッチ法とココモ法

「フィボナッチ法」は、1、1、2、3、5、8、13、21、34と前の2つを足していく数列に沿って、負けたら次の数字へ進み、勝ったら2つ戻る方法で、最初に戻れば系列が終わり、収支は+1単位か±0になります(数列を0から始める解説や、収支が±0か+1単位になった時点で終える解説もあります)。1,000円から始めると、9連敗で34,000円まで賭けて合計88,000円を失い、次の55,000円は上限を超えますが、その確率は約403回に1回です。

問題は連敗だけではなく、負けで1つ進み、勝ちで2つ戻る動きでは、負け3回に勝ち1回のような並びでも数列が1つずつ上がっていきます。編集部が系列の動きを分数で解いたところ、上限に届く系列は約132.5回に1回(9連敗の約3倍の頻度)でした。

「ココモ法」は同じ数列を3倍の賭けに使い、1回でも勝てば最初に戻す方法で、払い戻しが賭け金の3倍なので、何回目で勝っても系列はプラスで終わります(最初の3回を1単位にする「改良版ココモ法」も紹介されています)。ただし3倍の賭けは37回に25回外れるため、1,000円から9連敗して88,000円を失う確率は約34回に1回で、フィボナッチ法の9連敗の10倍以上起こりやすくなります。

ラブシェール法(キャンセレーション法)

「ラブシェール法」は、目標の利益をいくつかの数字に分けて並べ、両端の数字の合計を賭けて、勝てば両端を消し、負ければ賭けた額を右端に書き足していく方法で、「キャンセレーション法」「スプリットマーチンゲール」とも呼ばれています。たとえば2、3、3、2と書いて目標を10,000円にすると最初の賭けは4,000円で、勝てば数字が2つ消え、負けると1つ増えるだけで、勝ちの数が負けの数の半分を少し上回れば数列は消える、というのがこの方法の考え方です。

しかし負けが続くと、書き足した大きな数字が右端に残るため、賭け金は4,000円、6,000円、8,000円と2,000円ずつ上がっていき、編集部のシミュレーションでは約12系列に1回(約8.2%)、数列を消し切る前に賭け金が上限を超え、そのときの損失は平均で約14万円でした。残りの系列で得られるのは毎回の10,000円なので、平均すると期待値は賭けた額の−1/37に戻ります(決まりを逆にした「逆ラブシェール法」と呼ばれる方法もあります)。

モンテカルロ法

日本で「モンテカルロ法」と呼ばれる賭け方は、1、2、3と書いた数列の両端の合計を3倍の賭け(ダズンやコラム)に賭け、負ければ賭けた額を右端に足し、勝てば両端から2つずつ数字を消して、数字が1つ以下になったら終える方法です。2倍の賭けに使って勝つたびに1つずつ消す形もありますが、それは1、2、3から始めるラブシェール法と同じで、1、2、3、4、5から始める解説や、2、4、6のような数列を使う解説もあり、決まりは一つではありません。

1単位を1,000円として7連敗すると、賭け金は4,000円から10,000円まで上がって合計49,000円を失い、数字は10個に増えて次の賭けは11,000円になります。ダズンに賭けた場合の7連敗の確率は約6.4%で、編集部のシミュレーションでは約23系列に1回は上限を超える場面に届いて平均約19万円を失い、上限に届かなくても、数字が1つ残ったまま小さなマイナスで終わる系列が約1%ありました。

この名前は、乱数を使って確率を見積もる計算方法の「モンテカルロ法」とは関係がありません。このページの検算に編集部が使ったのは、後者です。

上げ方の違いと期待値

5つの方法は、上限に届くまでの道のりの長さが違うだけで、どの方法でも1系列の期待値は、その系列で賭ける額の期待値の−1/37になります(編集部のシミュレーションでも、差は誤差の範囲でした)。上げ方が遅いほど上限に届く頻度は下がりますが、届いたときの損失は大きくなり、普段の小さな勝ちとまれな大きな負けを平均すると、賭けた総額の約2.70%(ヨーロピアンルーレットの「控除率」)が失われる計算に戻ります。

負けを少しずつ取り返すという発想は、負けた後には勝ちが来やすいという思い込みと結びつきやすいものですが、1回ごとの結果は独立しています(「ギャンブラーの誤謬」の説明はこの章の最初のページ)。損失の期待値を小さくする方法は賭ける総額を減らすことだけであり、その計算は均一賭けのページで示しています。

よくある質問

ダランベール法は負けにくい方法ですか。

普段の系列は小さなプラスか±0で終わることが多いものの、まれに大きな損失が出る形で、期待値は賭けた額の−1/37です。編集部のシミュレーションでは、約350系列に1回、平均約110万円の損失が出る場面に届きました。

フィボナッチ法とココモ法の違いは何ですか。

同じ数列を使いますが、フィボナッチ法は2倍の賭けで勝つと2つ戻り、ココモ法は3倍の賭けで1回勝てば最初に戻ります。1,000円から9連敗して88,000円を失う確率は、フィボナッチ法が約403回に1回、ココモ法が約34回に1回です。

賭け方のモンテカルロ法は、シミュレーションの手法と関係がありますか。

関係はありません。名前が同じだけで、賭け方のモンテカルロ法は、数列を使って賭け金を決める方法です。

出典と参考資料

  1. ギャンブラーの誤謬、ウィキペディア日本語版
  2. オンラインカジノを利用した賭博は犯罪です!、警察庁