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ルーレットの確率:どこに賭けても控除率が変わらない理由

ルーレットには、1つの数字に賭ける方法から、赤か黒か、数字のまとまりに賭ける方法まで多くの賭け方がありますが、ヨーロピアンルーレットではそのどれを選んでも、賭け金100円あたりの期待値は−2.70円で変わりません。このページでは、その理由を分数で示したうえで、0のマスが2つあるアメリカンルーレットとの違いと、前の結果が次の回に影響しないという性質を説明します。

このページの要点

  • ヨーロピアンルーレットは0が1つの37マスで、k個の数字に賭けたときの配当は(36÷k−1)対1のため、どの賭け方でも期待値は賭け金の−1/37(約−2.70%)になります
  • 25の数字を覆う「ジェームズ・ボンド」と呼ばれる賭け方でも、勝つ確率は約67.6%に上がる一方、期待値は−1/37のままです
  • 0と00がある38マスのアメリカンルーレットでは、どの賭け方も−2/38(約−5.26%)で、0・00・1・2・3の5つの数字への賭けだけは−3/38(約−7.89%)です
  • 均等配当の賭けで0が出たときに賭け金の半分が戻る「ラ・パルタージュ」のルールでは、その賭けの期待値は−1/74(約−1.35%)です
  • 各回の結果は独立しており、赤が何回続いても、次に黒が出る確率は18/37のままです

ヨーロピアンとアメリカン、違いは0のマス1つ

ルーレットの盤には1から36の数字と0のマスがあり、ヨーロピアンルーレットは0が1つの37マス、アメリカンルーレットは0と00を持つ38マスです。日本ではカジノ管理委員会の規則がルーレットをIRのカジノのゲームの一つに挙げていますが、大阪のIRの開業予定は2030年秋頃で(IRとカジノ)、いま日本から海外のオンラインカジノのルーレットに賭ければ、刑法の賭博罪にあたります(オンラインカジノの違法性)。

日本語の解説では、赤や黒のように賭け金を含めて2倍が戻る賭けを「2倍」、ダズンやコラムを「3倍」と書くことがありますが、このページでは配当を「1対1」「2対1」と、賭け金を除いた勝ち分で表します。どの数字も同じ確率で出るという前提のもとで、私たち編集部は以下の数字をすべて分数のまま計算しており、小数は表示のために四捨五入した値です。

どの賭け方でも期待値は−1/37

k個の数字への賭けの配当は「36÷k−1」対1で、これは盤が1から36までの36マスだけなら期待値がちょうど0になるという、確率に見合った配当です。ところが盤には0のマスがもう1つあるため、k個の数字に賭けた場合の期待値は(36−37)÷37、つまり賭け金の37分の1の損失(約2.70%)となり、kは式に残りません。

ヨーロピアンルーレットの賭け方と期待値(賭け金100円あたり)
賭け方覆う数字配当当たる確率期待値
1つの数字135対12.70%−2.70円
隣り合う2つの数字217対15.41%−2.70円
横一列の3つの数字311対18.11%−2.70円
4つの数字の角48対110.81%−2.70円
2列の6つの数字65対116.22%−2.70円
ダズンまたはコラム122対132.43%−2.70円
赤・黒、奇数・偶数、1〜18・19〜36181対148.65%−2.70円
「ジェームズ・ボンド」(3か所に分けて置く)25組み合わせ67.57%−2.70円

賭け方によって変わるのは、当たる確率と配当だけです。1つの数字に賭ければ37回に1回しか当たらない代わりに勝ち分が大きく、赤や黒は半分近く当たる代わりに勝ち分が賭け金と同じ額にとどまりますが、どちらも100円あたり約2.70円を失う平均は変わりません。

25の数字を覆っても結果は同じ

「ジェームズ・ボンド」の名で紹介される賭け方は、19から36までの18の数字、13から18までの6つの数字、0の3か所に、140対50対10の割合で賭け金を分けて置き、37マスのうち25マスを覆うものです。仮に1,400円、500円、100円の合計2,000円を賭けたとすると、結果は19から36で800円、13から18で1,000円、0で1,600円のプラスとなり、1から12が出たときだけ2,000円を失います。

勝つ確率は25/37と高くなりますが、期待値は(18×800+6×1,000+1,600−12×2,000)÷37で約−54円となり、賭け金2,000円のちょうど37分の1にあたるため、ほかの賭け方と同じ−2.70%になります。勝つ回数が増えるのは、負けた回に失う額が大きくなることと引き換えであり、私たちは「勝率」の高さだけを示す説明に出会ったら、負けた回の額と並べて確かめることをすすめています。

アメリカンルーレットは−2/38、5つの数字への賭けは−3/38

0と00を合わせて38マスある盤では、配当は同じまま負けるマスが1つ増えるため、どの賭け方でも期待値は−2/38(約−5.26%)となり、ヨーロピアンのほぼ2倍です。例外は0、00、1、2、3の5つの数字にまとめて賭けるという方法で、配当が6対1と決められているため、期待値は(5×6−33)÷38=−3/38(約−7.89%)と、同じ盤の中でもいっそう低くなります。

ラ・パルタージュで半分になるのは均等配当の賭けだけ

赤・黒や奇数・偶数のような「均等配当」の賭けで0が出たとき、賭け金の半分を返す「ラ・パルタージュ」のルールでは、その賭けの期待値は−1/74(約−1.35%)と半分になります。これは、勝ちの18マスと負けの18マスが打ち消し合い、0のマスで賭け金の半分を失うだけになるためで、このルールが及ぶのは均等配当の賭けに限られるので、1つの数字やダズンへの賭けは−2.70%のままです。

赤が何回続いても、次に黒が出る確率は18/37

ルーレットの盤は、前の結果を覚えていません。各回は「独立」しており、前の回の結果は次の回の確率に影響しないため、赤が何回続いたあとでも、次の回に黒が出る確率は、ヨーロピアンなら変わらず18/37(約48.6%)です。編集部の計算では、赤が10回続く確率は約0.074%と小さいものの、それは10回分をまとめて見た確率であり、赤が9回続いた時点から見れば、10回目の赤の確率は、やはり18/37です。

続いた結果が次の回を左右すると考える誤りは、「ギャンブラーの誤謬」として知られており、赤が続いたから次は黒という考え方は、その典型です。回数を重ねれば1回あたりの平均は期待値に近づきますが、それは「大数の法則」によって、それまでの偏りが新しい結果に薄められていくからで、出なかった色があとから多く出て埋め合わせるわけではありません。

赤の出た回数が平均からずれる幅の目安(標準偏差)は、編集部の計算で100回では約5回、1万回では約50回と、回数で見るとむしろ大きくなり、割合で見てはじめて約5%から約0.5%へと小さくなります。前の結果を見て賭ける色や数字を選ぶ方法も、負けたあとに賭け金を増やすマーチンゲール法も、1回ごとの期待値には手を触れられないため、私たちは必勝法と呼ばれる賭け方のページで、その理由を賭け方ごとにまとめています。

よくある質問

赤や黒に賭けるほうが、1つの数字に賭けるより得ですか。

期待値は同じです。ヨーロピアンルーレットでは、赤や黒に賭けても1つの数字に賭けても期待値は賭け金の−1/37(約−2.70%)で、違うのは当たる頻度と1回ごとの勝ち負けの大きさです。

0に賭ければ、運営側の取り分を避けられますか。

避けられません。0も37マスの1つで、配当35対1で計算すると期待値はほかの数字と同じ−1/37です。

赤が10回続いたら、次は黒が出やすくなりますか。

なりません。各回は独立しており、次に黒が出る確率は18/37のままです。前の結果が次に影響すると考えるのは「ギャンブラーの誤謬」と呼ばれる誤りです。

アメリカンルーレットとヨーロピアンルーレットはどちらの控除率が高いですか。

0と00がある38マスのアメリカンルーレットで、どの賭け方も約5.26%、0・00・1・2・3の5つの数字への賭けは約7.89%です。ヨーロピアンは約2.70%です。

出典と参考資料

  1. ギャンブラーの誤謬、ウィキペディア日本語版
  2. カジノ管理委員会関係特定複合観光施設区域整備法施行規則(第3条)、e-Gov法令検索
  3. カジノ事業活動の規制、カジノ管理委員会
  4. 大阪IR 区域整備計画の概要、大阪府、2026年7月31日
  5. オンラインカジノを利用した賭博は犯罪です!、警察庁