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家族の相談:ギャンブルの問題を抱える人の家族が使える窓口と制度

精神保健福祉センターや保健所は、ギャンブルの問題を抱える本人だけでなく、その家族からの相談も受けており、家族のための自助グループや、家族が申し込める利用制限の仕組みもあります。このページでは、家族が使える窓口と制度を、私たちが確認した公的な資料と各団体の案内にもとづいてまとめますが、本人が相談に行く前の段階でも家族が使えるものを中心にしています。

このページの要点

  • 精神保健福祉センターと保健所は、ギャンブルの問題を抱える人の家族からの相談も受けています
  • ギャマノンやGAFA、全国ギャンブル依存症家族の会など、家族のための自助グループや集まりがあります
  • JRAでは同居の親族などが、医師の診断か経済的な損害を示す資料をもとに入場制限を申し込めます
  • ぱちんこでは、配偶者と2親等以内の成年の親族が入店制限を申し込めます
  • 消費者庁は、借金の肩代わりは本人の回復の機会を奪うとして、家族が借金の問題に直接関わらないよう呼びかけています

家族だけでも相談できる公的な窓口

ギャンブル等依存症対策基本法(平成30年法律第74号)は、公営競技やぱちんこなどのギャンブルにのめり込むことにより日常生活や社会生活に支障が生じている状態をギャンブル等依存症と定め、国に対策の基本計画をつくるよう求めています。その基本計画では、2024年9月末までに、すべての都道府県と政令指定都市などで依存症の相談拠点が整ったとされているため、相談拠点はどの都道府県にもあることになります。

精神保健福祉センターは各都道府県と政令指定都市に置かれた公的な相談窓口で、厚生労働省が、センターで受けられる相談の一つとして「アルコール・薬物・ギャンブル依存症の家族の相談」を挙げているように、家族の相談はセンターの仕事として位置づけられています。家族が電話や面接で相談でき、医師や保健師、精神保健福祉士などの専門の職員が対応するため、本人がまだ相談に行けない段階でも、家族が先に話をすることができます。

身近な保健所も「アルコール・薬物・ギャンブル等依存症の家族相談など幅広い相談」に応じており、厚生労働省によれば、保健師が家庭を訪ねて相談を受けることもあり、前もって電話で予約するようにすすめられています。どちらの窓口も、費用の扱いについて全国共通の説明は見あたらないため、私たちは、連絡するときに各窓口で確かめることをおすすめしています。

民間の団体では、公益社団法人ギャンブル依存症問題を考える会が相談専用の電話(070-4501-9625)を設けて「ギャンブルの問題でお困りの、当事者・ご家族・ご友人の方はご相談下さい」と呼びかけていますが、受付時間はサイトに書かれていません。同会は家族相談会も開いており、近くの窓口を探したい場合は、依存症対策全国センターのサイトにある「全国の相談窓口・医療機関を探す」も使えます。

家族のための自助グループ

家族のための自助グループもあり、「一般社団法人 ギャマノン日本サービスオフィス」は、ギャマノンを「ギャンブル依存症の家族友人のための自助グループ」と紹介しています。電話・FAXは03-6659-4879で、受付は「(毎週月・木10:00-12:00)」とされ、「オンライン専用」のグループもあるため、近くに会場がない場合でも参加する道があります。

GAFA(Gambling Families Anonymous)も家族と友人のための自助グループとして、私たちが確認した厚生労働省と内閣官房の案内に載っています。全国ギャンブル依存症家族の会(NPO法人)は、各地方で家族の集まりを開いており、予約をしなくても参加でき、参加費は1,000円です(連絡先は090-6737-8665)。

家族が申し込める利用制限

家族の申し出で利用を止める仕組みは、公営競技、ぱちんこ、IRのカジノのそれぞれにあり、公営競技の入場制限と利用停止の累計2万1,734件(2026年3月31日まで)のうち、家族の申し出によるものは486件です。家族の申し出の割合は、編集部の計算では約2.2%です。JRA、ぱちんこ、IRのカジノの制度では、家族が申し出ればそれだけで制限が決まるのではなく、資料の提出や本人の同意、弁明の機会といった手続きが定められています。

家族が申し込める主な利用制限
対象申し込める家族内容と手続き
JRAの競馬場・ウインズ同居している6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族医師の診断か経済的な損害を示す資料が必要で、インフォメーションデスク(050-3536-0066)への電話から始まる。入場制限開始日の翌年末まで有効
JRAの電話・インターネット投票家族(条件はJRAの案内で確認)PATサービスセンター(050-3771-2000)で利用停止を申し込む
地方競馬家族本人または家族の申請で、入場とインターネット投票を制限
ボートレース家族場ごとに申請し、規制まで最短でも約2か月
ぱちんこ・パチスロ配偶者、2親等以内の親族(成年者に限る)入店制限のみ。本人の同意書か、必要性を客観的に示す資料が必要
IRのカジノ家族その他の関係者事業者が判断し、本人に弁明の機会がある。期間は1年以上

JRAの入場制限を家族として申し込める範囲は同居の親族に限られますが、地方競馬では「ご本人又はご家族からの申請により」入場とインターネット投票を制限しています。ボートレースでは「申請から入場規制まで最短でも約2ヶ月程度の期間が必要」とされるため、私たちは、家族が申し込む場合の日数の目安として、この数字を挙げておきます。

ぱちんことパチスロでは、「配偶者、2親等以内の親族(成年者に限る)」が入店制限を申し込め、本人が同意している場合は「プログラム申込同意書」を、同意がない場合は必要性を客観的に示す資料を出すことになります。本人の同意がある場合の家族の申告は、2017年12月にプログラムに加わった仕組みで、2024年11月末の時点では全国の6,130店(導入率92.2%)がプログラムを導入しています。

IRのカジノについては、法律が「入場者…又はその家族その他の関係者の申出により当該入場者のカジノ施設の利用を制限する措置」を事業者に求めており、家族の申し出の場合は、事業者が本人に「弁明の機会」を与えたうえで判断します。競技ごとの申し込み先は利用を止める仕組みに、IRの制度はカジノの入場規制にくわしくまとめています。

借金について公的機関が示していること

消費者庁が公表している注意喚起のページには、「借金の肩代わりは、本人の回復の機会を奪ってしまいますので、家族が借金の問題に直接関わることのないようにしましょう。」という一文があります。同じページで借金の相談先として挙げられているのは消費生活センターと法テラス(日本司法支援センター)で、債務整理の方法と相談の窓口は、編集部が借金の相談にまとめています。

家族自身がつらいとき

家族自身が死にたいほどつらいと感じたときは、毎日24時間受け付けている#いのちSOS(0120-061-338)や、毎日16時から21時まで受け付けているいのちの電話のフリーダイヤル(0120-783-556)に電話することができます。ほかの窓口は、相談窓口と支援の一覧にまとめています。

よくある質問

本人が相談に行かなくても、家族だけで相談できますか。

できます。精神保健福祉センターと保健所は家族からの相談を受けており、家族のための自助グループとして、ギャマノンやGAFAなどもあります。

家族が競馬場への入場を止めてもらうことはできますか。

JRAでは、同居の親族などが医師の診断か経済的な損害を示す資料をもとに入場制限を申し込めます。手続きはインフォメーションデスク(050-3536-0066)への電話から始まります。

本人の同意がなくても、ぱちんこの入店制限を申し込めますか。

申し込めますが、同意がない場合は、必要性を客観的に示す資料が求められます。申し込めるのは配偶者と2親等以内の成年の親族で、家族申告は入店制限のみです。

家族が借金を代わりに返すのはよくないのですか。

消費者庁は、肩代わりは本人の回復の機会を奪うとして、家族が借金の問題に直接関わらないよう呼びかけ、相談先として消費生活センターと法テラスを挙げています。

出典と参考資料

  1. 依存症の相談先と専門家の案内(依存症対策のページ)、厚生労働省
  2. 全国精神保健福祉センター一覧、全国精神保健福祉センター長会
  3. 自助グループの案内、依存症対策全国センター
  4. ギャマノン、一般社団法人ギャマノン日本サービスオフィス
  5. 全国ギャンブル依存症家族の会、NPO法人全国ギャンブル依存症家族の会
  6. 入場制限・利用停止の案内(JRAのギャンブル等依存症対策のページ)、日本中央競馬会
  7. 自己申告・家族申告プログラム、パチンコ・パチスロ産業21世紀会
  8. カジノ管理委員会関係特定複合観光施設区域整備法施行規則、e-Gov法令検索
  9. 借金の肩代わりについての呼びかけを含む注意喚起のページ、消費者庁