借金の相談:法テラス、債務整理、貸付自粛制度
警察庁が委託した調査(2025年1月)が、オンラインカジノの利用者について「オンラインカジノがきっかけで消費者金融や家族・友人・知人への借金をしたことがある人の割合は全体で46.2%」と報告しているように、ギャンブルと借金の問題は切り離しにくいものです。借金の整理には法律で定められた手続きがいくつもあり、費用の心配がある人のための相談の窓口もあるため、私たちはこのページで、相談先と手続きの違いを公的な資料にもとづいて整理します。
このページの要点
- 法テラスのサポートダイヤル(0570-078374)は、利用が0円で、借金の問題に合った相談先や制度を案内しています
- 収入と資産が基準を下回る人は、法テラスの無料法律相談を同じ問題につき3回まで使えます
- 債務整理には、裁判所を使わない任意整理と、裁判所の手続きである個人再生と自己破産があります
- 破産法は賭博などで財産を著しく減らしたことを免責を許可しない事由に挙げていますが、裁判所が事情を考えて免責を許可できる規定もあります
- 本人が申し込む貸付自粛制度は、日本貸金業協会では無料で、期間は最長5年です
最初の相談先
私たちが最初の窓口としてすすめるのは、法テラス(日本司法支援センター)の「法テラス・サポートダイヤル」(0570-078374)で、平日の9時から21時と土曜日の9時から17時(祝日と年末年始を除く)に、問題に合った相談先や制度を案内しています。IP電話やプリペイド式の携帯電話、海外からは03-6745-5600にかけることになり、サービスの利用は0円ですが、通話料はかかります。
サポートダイヤルでは個別の法律相談を受けていないため、弁護士や司法書士に具体的に相談したい場合は、法テラスの無料法律相談が使えるかを確かめるのが一つの方法です。対象は収入と資産が一定の基準を下回る人で、相談は1回30分(同じ問題について3回まで無料)ですが、予約が必要です。手続きを頼む費用は、法テラスの立替制度で立て替えてもらって分割で返すこともでき、この返済には「利息等はありません」とされています。
弁護士会、司法書士会、カウンセリングの窓口
弁護士会の「ひまわりお悩み110番」(0570-783-110)は、近くの弁護士会の法律相談センターにつながりますが、通話料がかかり、050で始まるIP電話の一部からはつながりません。相談料は地域や分野によって違いますが、日本弁護士連合会は5,500円前後を目安として示しており、インターネットで予約できる「ひまわり相談ネット」もあります。
司法書士会は「全国約150ヵ所」に「司法書士総合相談センター」を置いて借金の相談にも応じており、「原則として有料相談になっていますが、無料相談を行っている相談センターも多数あります」と案内しています。返し方そのものを相談したいという場合には、公益財団法人日本クレジットカウンセリング協会(0570-031640)が無料で応じています。
消費者庁も、借金の問題については、相談が無料の消費生活センター(消費者ホットライン188)と法テラスへの相談を案内しており、私たちは、どの窓口から入っても、手続きの選び方まで一人で決めずにすむと考えています。
債務整理の三つの方法
法テラスが説明している債務整理の方法には、任意整理、個人再生、自己破産があり、このうち任意整理は「裁判所などの公的機関を利用せず、当事者が私的に話合いをして、支払額や支払方法について合意をする手続」という点で、ほかの二つと大きく違います。
個人再生は、裁判所が認めた計画にしたがって、減らした借金を「原則3年間で分割」して返す手続きですが、養育費や税金などは減らす対象になりません。形は二つあり、小規模個人再生(住宅ローンを除く借金が5,000万円以内で、継続した収入がある場合)と、給与所得者等再生があります。
自己破産は、私たちが確認した法テラスの説明では「債務の支払が不能な場合に、一定の財産を債権者に平等に分配した上で、債務を支払わなくてよい状態にする(免責)裁判所における手続」で、借金の支払いを免れるためには、裁判所から免責の許可を受ける必要があります。
| 方法 | 裁判所 | 内容 |
|---|---|---|
| 任意整理 | 使わない | 当事者どうしの話し合いで、支払額や支払方法について合意する |
| 個人再生 | 使う | 裁判所が認めた計画で、減らした借金を原則3年間で分割して返す |
| 自己破産 | 使う | 一定の財産を債権者に分けたうえで、免責の許可を受ければ借金を支払わなくてよくなる |
ギャンブルの借金と免責
ギャンブルによる借金で知っておきたいのは、破産法252条1項4号が、「浪費又は賭博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと」を、免責を許可しない事由の一つに挙げている点です。
裁判所は、破産者について、次の各号に掲げる事由のいずれにも該当しない場合には、免責許可の決定をする。
四 浪費又は賭博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと。
2 前項の規定にかかわらず、同項各号に掲げる事由のいずれかに該当する場合であっても、裁判所は、破産手続開始の決定に至った経緯その他一切の事情を考慮して免責を許可することが相当であると認めるときは、免責許可の決定をすることができる。
ただし同じ条文の2項は、こうした事由がある場合でも、裁判所が「破産手続開始の決定に至った経緯その他一切の事情を考慮して」免責を許可できると定めており、これは裁量免責と呼ばれます。法テラスも、免責が認められない可能性がある例として「ギャンブルや過度な買い物や飲食で債務を負った」場合を挙げているので、私たちは、ギャンブルの借金で自己破産を考えるときこそ、早めに専門家に相談することが大切だと考えています。
なお、支払いの相手が金融機関ではなく賭けの相手である場合、違法な賭けから生じた支払いの約束が民法でどう扱われるかは、賭博の借金・勝ち金と民法で説明しています。
これ以上借りないための貸付自粛制度
借入れを増やさないための仕組みとして、本人が自分への貸付けの自粛を求める貸付自粛制度があり、その登録先は、JICC、CIC、全国銀行個人信用情報センターという三つの信用情報機関です。日本貸金業協会での申し込みは、インターネットなら24時間受け付けられ、郵送や窓口でもでき、手数料はかからず、期間は最長5年で、3か月がたてば撤回することもできます。
申し込めるのは原則として本人だけです。協会の電話は0570-051-051(平日9時〜17時)で、全国銀行協会の分は郵送だけで受け付けており、問い合わせ先は0120-540-558です。公営競技やぱちんこ、IRのカジノで、ギャンブルそのものの利用を止める仕組みは、私たちが利用を止める仕組みにまとめています。
家族が肩代わりを考えたとき
家族の借金に気づいたときの対応について、消費者庁は「借金の肩代わりは、本人の回復の機会を奪ってしまいますので、家族が借金の問題に直接関わることのないようにしましょう。」と呼びかけ、相談先として消費生活センターと法テラスを挙げています。家族が使える相談先と制度は、編集部が家族の相談にまとめています。
よくある質問
法テラスに電話すれば、無料で弁護士に相談できますか。
サポートダイヤルは相談先や制度を案内する電話で、個別の法律相談は受けていません。収入と資産が基準を下回る場合は、予約して無料法律相談(1回30分、同じ問題につき3回まで)を使えます。
ギャンブルの借金でも自己破産はできますか。
破産法は賭博などで財産を著しく減らしたことを免責を許可しない事由に挙げていますが、裁判所が一切の事情を考えて免責を許可できる規定(252条2項)もあります。見通しは弁護士や司法書士に相談してください。
これ以上借りないようにする方法はありますか。
本人が申し込む貸付自粛制度があります。日本貸金業協会では無料で申し込め、期間は最長5年です。
家族が借金を返してあげてもよいですか。
消費者庁は、肩代わりは本人の回復の機会を奪うとして、家族が借金の問題に直接関わらないよう呼びかけています。
出典と参考資料
- オンラインカジノの実態把握のための調査研究 報告書、警察庁委託調査、2025年1月
- 法テラス・サポートダイヤル、日本司法支援センター
- 無料法律相談と費用の立替えの利用の流れ、日本司法支援センター
- 任意整理についてのよくある質問、日本司法支援センター
- 自己破産で免責が認められない場合についてのよくある質問、日本司法支援センター
- 破産法(第252条)、e-Gov法令検索
- ひまわりお悩み110番、日本弁護士連合会
- 司法書士総合相談センター、日本司法書士会連合会
- 借金の肩代わりについての呼びかけを含む注意喚起のページ、消費者庁